#03 コーヒーに合う果物は、たぶんバナナ

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Series02 コーヒーと小さなおやつ

#03 コーヒーに合う果物は、たぶんバナナ

GWが終わり、いつもの静けさが戻った平日の朝。
少し乱れていたリズムを整えるように、今日もまた在宅ワークがはじまる。
窓を開けると、空気はもう春のやわらかさを超えている。
清々しい風に、ほんのりと初夏の気配が混ざっている。

こんな日は、深煎りよりも軽やかな一杯で。
やさしいコーヒーの香りに、ざわついていた気持ちがゆっくり凪いでいく。

そして、今日のおともはバナナ。

なにか特別な用意をしたわけじゃなくて。
キッチンに置いてあった、いつもの1本。
朝食に出したものの、今朝は時間がなくて食べきれなかったもの。
コーヒーとバナナ。
少し意外な組み合わせのようで、どこか見覚えもある。

たしか、昔通っていたスターバックスの光景だと思う。
レジ横の焼き菓子たちに混じって、当たり前のように並んでいたバナナ。

ひと口かじって、コーヒーを一口。
やわらかな甘みが、軽やかなコーヒーの香ばしさに、すっと重なる。

思っていたよりも、ずっと自然に、互いを引き立てあう。

その絶妙なバランスに、ちょっと驚き。

ほかの果物はどうだろう。
今まで食べてきたものを、ふと思い出してみる。

いちご、みかん、メロン、桃、スイカ。
いちじくや、ぶどう。
レモン、りんご。
どれも果物としては大好きだけど、
コーヒーと並ぶイメージは、あまり強く浮かんでこない。

さっぱりとした酸味や、水分の多い果物よりも、
穏やかな甘みがゆっくり広がるものの方が、
コーヒーのもつ熱量と、相性がいいのかもしれない。

焼き菓子やチョコレートのような、完成されたペアリングとはまた違って、
バナナとコーヒーには、どこか懐かしく、素朴な心地よさがある。
主張が強すぎないからこそ、コーヒーの味や香りもよくわかる。
だから、手元の作業にも、すっと戻っていける。

在宅ワークの日は、このくらいでいい。

整えすぎないほうが、かえって自分らしくいられる。
バナナと、コーヒー。
手軽で、ほっとして、ちょうどいい満足感。

いつもの一杯に、ほんの少しの変化を。

そんな軽やかな選択肢が、またひとつ増えた朝だった。

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